Intel NetBurst マイクロアーキテクチャは、2000 年に Pentium 4 とともに登場した高クロック指向の CPU 世代で、 180nm から 65nm 世代まで長期間にわたり改良が続けられました。NetBurst は高クロック化を目的に非常に長い パイプラインを採用しましたが、その代償として高発熱・高消費電力が問題となり、後継の Core マイクロアーキテクチャへと 世代交代していきます。

この時代のチップセットは i845 → i850 → i865 → i875 → i915 → i925 → i945 → i955 と進化し、メモリ規格(SDR → DDR → DDR2)、グラフィックスバス(AGP → PCI Express)、 ICH(I/O Controller Hub)の世代更新など、PC アーキテクチャの大きな転換点を支えました。

NetBurst 世代チップセットの系譜

NetBurst 時代のチップセットは、メモリ規格と拡張スロットの変化を軸にすると、大きく 3 つのフェーズに分けて整理できます。 初期は SDR/DDR と AGP、続く中期は DDR + AGP の成熟期、後期は DDR2 と PCI Express への完全移行期です。

1. 初期(SDR / DDR・AGP 時代)

  • i845(SDR / DDR)

    初期 Pentium 4 向けのメインストリームチップセットで、当初は SDR SDRAM、後に DDR SDRAM に対応。

  • i850 / i850E(RDRAM)

    RDRAM をデュアルチャンネルで使用するハイエンド向け。高帯域だが高価で発熱も大きく主流にはならず。

  • i845PE / i845GE(DDR + AGP)

    DDR と AGP 8x に対応した改良版。i845GE は内蔵 GPU を搭載し、初期〜中期の主力となった。

2. 中期(DDR / AGP の成熟期)

  • i865PE / i865G / i865P

    DDR + AGP 8x のメインストリーム。安定性と性能のバランスが良く、Pentium 4 / Celeron D の定番。

  • i875P(PAT 搭載)

    i865 の上位版で、PAT によりメモリアクセスを高速化。ワークステーション用途にも採用された。

3. 後期(DDR2・PCI Express 時代)

  • i915P / i915G

    DDR2 + PCI Express x16 に対応。i915G は内蔵 GPU を搭載し、PCIe 時代の幕開けとなった。

  • i925X / i925XE

    DDR2 世代のハイエンド。FSB 1066MHz に対応し、Pentium 4 / D の上位モデル向け。

  • i945P / i945G

    LGA775 世代の主流。内蔵 GPU 搭載の i945G はオフィス向け PC に広く採用。

  • i955X

    デュアルコア Pentium D に対応した NetBurst 最終ハイエンド。PCIe x16(CrossFire)に対応。

主要チップセット一覧(リンク付き)

チップセット メモリ GPU 拡張スロット 対応 CPU 用途
i845 / i845PE / i845GE SDR / DDR 一部内蔵 AGP 4x / 8x Pentium 4 初期主流
i850 / i850E RDRAM なし AGP 4x / 8x Pentium 4 高帯域ハイエンド
i865PE / i865G / i865P DDR i865G 内蔵 AGP 8x Pentium 4 / Celeron D 中期主力
i875P DDR(PAT) なし AGP 8x Pentium 4 ハイエンド
i915P / i915G DDR2 i915G 内蔵 PCIe x16 Pentium 4 / D PCIe 初期
i925X / i925XE DDR2 なし PCIe x16 Pentium 4 / D DDR2 ハイエンド
i945P / i945G DDR2 i945G 内蔵 PCIe x16 Pentium 4 / D LGA775 主流
i955X DDR2 なし PCIe x16 Pentium D 最終ハイエンド