HDDとは
HDD(ハードディスクドライブ)は、PC の中でも動作が分かりやすい外部記憶装置です。 Windows やアプリケーションのインストール、大切なデータの保存に使用されます。 メモリは電源を切ると内容が消えますが、HDD に保存したデータは電源を切っても保持されます。
規格
ハードディスクの接続規格には、IDE(ATA)と SCSI が存在します。 IDE 接続では、マザーボードのチップセットにより最大 4 台まで接続可能です。
SCSI は CPU 占有率が低く、転送速度にも優れていますが、 価格が高く専用の SCSI カードが必要なため、 現在では主にサーバー用途や一部のユーザー向けとなっています。
HDDの変遷
- 2003 年:Ultra ATA/100・133 が主流。
- 2004 年:Serial ATA が登場し始めるが、Ultra ATA も依然として主流。
- 2005 年:Serial ATA が普及し始め、Ultra ATA も併売される。
- 2006 年:Serial ATA が完全に主流へ移行。
- 2007〜2009 年:Serial ATA II(3Gbps)が一般化。
- 2010〜2012 年:Serial ATA III(6Gbps)が標準規格に。
- 2013〜2018 年:HDD は大容量化が進み、4TB〜10TB クラスが普及。
- 2019〜2023 年:SSD が OS 用ストレージとして主流化し、HDD は大容量データ保存用途へ。
- 2024〜2026 年:HDD は 20TB 超の大容量モデルが登場し、アーカイブ用途として定着。
Serial ATA(SATA)
Serial ATA(SATA)は、従来の Ultra ATA(パラレル ATA)の後継となるシリアル転送方式の規格です。 パラレル ATA との互換性を保ちながら、より高速で効率的な転送を実現しています。
SATA の転送速度は以下のように進化してきました:
- SATA 1.5Gbps(150MB/sec)
- SATA II 3Gbps(300MB/sec)
- SATA III 6Gbps(600MB/sec)
シリアル転送方式になったことで、従来の 40 芯・80 芯のフラットケーブル(最長 45.7cm)から、 細く柔らかい 4 芯ケーブル(最長 1m)へと変更され、取り付けや取り回しが容易になりました。 また、SATA ではマスター/スレーブの概念がなく、ジャンパ設定も不要です。
転送速度
HDD の接続方式によって転送速度は大きく異なります。 PCI スロットに拡張カードを挿して使用する場合などは、下記の表を参考にしてください。 一般的な PCI(32bit 33MHz)は 133MB/sec の帯域しかないため、 Serial ATA を使用しても速度が頭打ちになる場合があります。
外付け HDD の場合は USB や IEEE1394(FireWire)など、 接続方式によって転送速度が変わります。 現在では USB 3.x が主流で、USB 2.0 は低速なため注意が必要です。
| インターフェース | 転送速度 |
|---|---|
| Ultra ATA/33 | 33MB/sec |
| Ultra ATA/66 | 66MB/sec |
| Ultra ATA/100 | 100MB/sec |
| Ultra ATA/133 | 133MB/sec |
| Serial ATA(SATA 1) | 150MB/sec |
| Serial ATA II(SATA 2) | 300MB/sec |
| Serial ATA III(SATA 3) | 600MB/sec |
| USB 1.1 | 1.5MB/sec |
| USB 2.0 | 60MB/sec |
| USB 3.0 / 3.1 Gen1 | 500MB/sec(5Gbps) |
| USB 3.1 Gen2 | 1.0GB/sec(10Gbps) |
| USB 3.2 Gen2x2 | 2.0GB/sec(20Gbps) |
| USB4(外付けHDD用途) | 最大 2.0GB/sec(20Gbps) |
| IEEE1394(FireWire) | 50MB/sec |
| Ultra160 SCSI | 160MB/sec |
| Ultra320 SCSI | 320MB/sec |
| PCI(32bit 33MHz) | 133MB/sec |
| PCI(64bit 66MHz) | 533MB/sec |
| PCI-X | 1.06GB/sec |
Maxtor が提唱した「Fast Drive」(Ultra ATA/133)を正式にサポートしていたのは、 当時 Maxtor のみでした。
性能
HDD を選ぶ際に重要となる要素は、容量・回転数・プラッタサイズ・シークタイム・キャッシュ容量などです。
容量
TV 録画用途では大容量かつ高速回転の HDD が適しています。 一般的な用途であれば、かつては 80GB 程度でも十分でしたが、 現在では 1TB 以上が標準的な容量となっています。
回転数
IDE 接続では 5400rpm・7200rpm、SCSI 接続では 10000rpm・15000rpm が主流でした。 回転数が高いほど性能は向上しますが、騒音や発熱も増加します。 近年は流体軸受け(FDB)採用により、騒音は大幅に低減されています。
プラッタサイズ
HDD は磁性体ディスク(プラッタ)に磁気ヘッドでデータを読み書きします。 1 プラッタあたりの容量が大きいほど、必要なプラッタ枚数が減り、 高密度化による性能向上や、騒音・発熱の低減といったメリットがあります。
シークタイム
シークタイムとは、ヘッドが目的の位置に移動するまでの時間で、 数値が小さいほどアクセス速度が向上します。
キャッシュ
キャッシュはディスクから読み出したデータの一時保存や先読みを行う領域で、 キャッシュ容量が大きいほどデータ転送がスムーズになります。
HDD の内部構造(動画)
海外サイトによる HDD の内部構造検証動画です。 HDD のカバーを開けた状態で電源を入れ、ヘッドの動作やコピー時の挙動が確認できます。
店舗における HDD の故障率・不良率
HDD の壊れやすさや初期不良率は、個人の使用感で語られることが多く、長いことHDDを乗り換えて来た人でも二桁程度で統計としての信頼性は低い。 そこで多くの HDD を扱うPCショップのデータが参考になります。
PC ショップ「クレバリー」がメールマガジンで公表したデータによると、 Western Digital が 0.5% と最も低く、Seagate が 1.3% と最も高い不良率でした。 HITACHI や Samsung は 1% 程度で、大きな差は見られませんでした。
ただし、Maxtor が一時期 3% 近い不良率を記録した例もあり、 製品時期によって品質が変動することが分かります。 (筆者の経験だとMaxtorのHDDは不良率200%でした。購入したHDDがフォーマットすら出来ず初期不良交換。交換した製品もすぐ読めなくなり、再度交換。3台目でようやく安定しましたが、あれは酷かった。)
HDD メーカーの動向
HDD 業界では買収・統合が進み、メーカー数は大幅に減少しました。
- IBM HDD 部門 → 2003 年に 日立が買収し HGST を設立
- Maxtor → 2006 年に Seagate が買収
- HGST → 2011 年に Western Digital が買収
- SAMSUNG HDD 部門 → 2011 年に Seagate が買収
現在(2026 年)の主要 HDD メーカーは以下の通りです:
- Seagate
- Western Digital(HGST 含む)
- Toshiba(2.5インチで強い)