CD-ROM/-R/-RWドライブ

ソフトウェアをインストールしたり、音楽を聴いたり、データのバックアップに大活躍のコンパクトディスクことCD。このCDを読み出す装置がCD-ROMドライブだ。

一度だけデータを書き込む事できるCD-R、データの書き換えが可能なCD-RW。これらとCDを読み出すCD-ROMドライブの能力を持ったCD-R/RWドライブ。過去にはCD-RドライブとCD-ROMドライブと言うように別々の存在していたが現在はどちらも兼ね備えている。

ただし、CDに書き込むには専用のアプリケーションが必要。Windows XPはサポート済みとなる。

ハードディスクと同じく、内蔵の場合はIDE接続(ATAPI)とSCSI接続がある。

CD-ROM/-R/-RWドライブの性能

CD-ROMドライブについては性能差と呼べるのは速度ぐらいな物で、等倍速(1倍速)とはCD-ROM規格の元である音楽CDのプレイヤーと同じ150KB/sec。今では内蔵型なら40倍速(6000KB/sec)以上ばかりで、速度より静音性を気にする事もある。

CD-R/RWドライブは性能から言えば-Rの書き込み速度、-RWの書き込み速度。書き込みエラー防止機能、バッファ容量。それに各メーカーの特殊機能等です。バッファは一時的にデータを蓄積する為、容量は多ければ多いほど良い。

CD-R

CD-Rはデータをレーザーで有機色素を変化させる事で記録する。

CD-Rの種類


それぞれの色素の採用メーカーや特徴を表にすると以下の通り

色素採用メーカー特徴
シアニン 太陽誘電
ソニー
TDK
日立マクセル
最も多く採用されているのがこのシアニン系色素。レーザーの反応に優れている一方、耐光性が弱い。その為、耐光剤を用いているがフタロ、アゾに比べれば耐光性は弱い。記録面は青緑色が多い。
フタロシアニン 三井化学
リコー
耐光性が非常に優れており、長期保存にむく。記録面は薄い緑色で書き込んでも見た目の変化が少ないのが特徴。弱点としてはレーザーへの反応が強く、遅い速度で書き込むとエラーが少し多くなる。高速書き込みへの対応に優れている。
アゾ 三菱化学 三菱化学だけが採用している色素。精度が高く、耐光性にも優れている。記録面は深い青色で、YAMAHAのDiscT@2で記録面に絵を描画するのに最も適していると評判が高い。

CD-R書き込み速度

このCD-Rの書き込み速度は現在の最高速度52倍速。しかし、この最高速度はCD-Rメディアに52倍速で書き込むのでは無く、最初は低速でスタートし、速度を少しずつ上げていく為、一定速度での書き込みではありません。読み込み、書き込みの方法にCLV、CAV。より高速に対応したZoneCLVにパーシャルCAV等がある。

記録方式特徴
CLV 内周部から外周部になるに従って回転を遅くし、書き込み速度を一定に保つ。
CAV ディスクの回転数は一定で、その分、外周部への書き込みは高速になる。
ZoneCLV 内周は16倍速で20倍速、24倍速と内周から離れるに従ってより高速へシフトする。
パーシャルCAV 内周はCAV方式で、書き込み速度が20倍速になるとCLV方式にシフトする。

ZoneCLV、パーシャルCAV共に高速書き込みに対応した記録方式だが、ZoneCLVの場合、高速になる度に繋ぎ目ができ、品質を気にする方にはお勧めできない。その分、パーシャルCAVの場合、急な回転速度の変化が起こらず安心できる。

書き込み方式としてはメディアに一気に書き込み、未使用領域が残っていても追記不可なディスク・アット・ワンス。データをトラック単位で書き込み、追記可能なトラック・アット・ワンス。データをセッション単位で書き込むセッション・アット・ワンス。データをパケットに区切り、パケット事に書き込むパケット・ライト等がある。

CD-RW

CD-RWは相変化記録方式を用い、約1000回程度の書き換えが可能。読みとり面の反射率が低く、昔のCD-ROMドライブやCDプレイヤーでは再生できない事がある。現在の最高速度は24倍速。一部最新機種ではCD-MRWに対応しています。CD-MRWというのは次世代CD-RWパケットライトフォーマットで、通常のパケットライトに比べフォーマット時間を短縮でき、より、FDに近く扱いやすくなる予定。

書き込みエラー(バッファーアンダーラン エラー)

CD-RやCD-RWメディアにデータを書き込むにはHDDやCD-ROMドライブから送られてくるデータをCD-R/RWドライブのバッファに貯めてからメディアへの書き込みを始める。しかし、パソコンで他の作業をしたりしているとデータ転送速度が低下し、バッファに蓄えられたデータを使い切り、未記録領域が出来てしまい結果として、メディアへの書き込みに失敗する。このエラーの事をBuffer Under Run Error(バッファーアンダーラン エラー)と言う。

書き込みエラー防止機能

三洋電機のBURN-Proof。意味は"バッファーアンダーラン(BufferUnderRuN)エラーを回避(Proof)する"。

データの転送速度が低下してくると、メディアへの書き込みを停止してエラーを防ぎ、データが正常に送られてくると続きから書き込みを再開する。YAMAHAのSafeBurnは大容量バッファ8MB、バッファアンダーランエラー防止機能、おまかせレコーディング(自動最適記録速度選択)という三段構え。

RICOHのJust LinkはBURN-Proofより再開後のデータの間が短く、品質への影響が少ない。他にもSONYのPower-Burn等がある。

メーカー独自の機能

PLEXTORのPoweRec or PoweRec-?はメディアに併せてレーザーの出力を調整して最適な最高速度を選定。メディアのアドレスごとにレーザーパワーを変化させる等してメディアへの高品位な書き込みを可能にしている。

YAMAHAのAdvanced AudioMASTERはディスク記録時の線速度を1.2m/sから1.4m/sにアップし、高品位な記録を実現する機能。高音質音楽CDの作成を実現する。しかし、それに伴い650MBメディアで63分、700MBメディアで68分と記録容量が少なくなるデメリットが存在する。

YAMAHAのDiscT@2はCD-Rディスクのデータ面に文字や画像を描きこめるYAMAHA独自の描画機能。

とメーカー独自の機能にも大いに購買意欲を左右するものが有り、速度以外の機能もチェックしましょう。

コスト重視なら安い台湾メーカー製など選択肢は多いが、YAMAHAのDiscT@2などのメーカー独自機能や特定のプロテクトを採用したメディアのバックアップに対応しているといった特徴を知ってから購入することをオススメしたい。

豆知識

音楽CDの仕様を規格書の表紙から「レッドッブック」、レッドブックを拡張したCD-ROMの仕様を規格書の表紙から「イエローブック」、記録可能なCD-R、RWの仕様を規格書の表紙から「オレンジブック」と呼ぶ。