Core i9 は Intel が 2017 年に投入したハイエンド向け CPU シリーズで、 Core i7 のさらに上位に位置する"フラッグシップブランド"として誕生した。 当初は HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けの X シリーズが中心で、 最大18コアのモンスター級 CPU としてプロフェッショナル用途を主に担っていた。

メインストリーム向けには第9世代から投入され、8コア化によって ゲーム・動画編集・3D制作など幅広い用途でトップクラスの性能を発揮。 第10世代では10コア化し、マルチスレッド性能が大きく向上した。

そして第12世代(Alder Lake)では Pコア+Eコアのハイブリッド構成を採用し、 メインストリーム向けとしては初の24コア(8P+16E)構成を実現。 第13世代・第14世代でもこの構成を継承し、マルチタスク・レンダリング・AI処理など あらゆる分野で圧倒的な処理能力を持つ"Intelの象徴的ハイエンドCPU"となった。

一方で第13/14世代では、過剰な電圧・電流による 「Vminシフト(最小動作電圧の上昇)」問題が発生し、 高負荷時のクラッシュや再起動が報告されている。 フラッグシップゆえに消費電力も大きく、安定性には注意が必要な世代となった。

第14世代 Core i9(Raptor Lake Refresh / 2023)

Raptor Lake の最適化版。Pコア強化と高クロック化でトップクラスの性能を維持。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
14900K Raptor Lake Refresh 3.2GHz×8P + 2.4GHz×16E 6.0GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 125W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
14900 Raptor Lake Refresh 2.0GHz×8P + 1.5GHz×16E 5.8GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 65W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
14900T Raptor Lake Refresh 1.1GHz×8P + 0.9GHz×16E 4.6GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 35W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2

第13世代 Core i9(Raptor Lake / 2022)

24コア構成(8P + 16E)で、メインストリーム向けとしては史上最大のコア数を実現した世代。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
13900K Raptor Lake 3.0GHz×8P + 2.2GHz×16E 5.8GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 125W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
13900 Raptor Lake 2.0GHz×8P + 1.5GHz×16E 5.6GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 65W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
13900T Raptor Lake 1.1GHz×8P + 0.9GHz×16E 4.3GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 2MB×8(P) + 4MB×16(E) 35W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2

第12世代 Core i9(Alder Lake / 2021)

Pコア+Eコアのハイブリッド構成を初採用。メインストリーム向けとしては初の16コア構成。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
12900K Alder Lake 3.2GHz×8P + 2.4GHz×8E 5.2GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 1.25MB×8(P) + 2MB×8(E) 125W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
12900 Alder Lake 2.4GHz×8P + 1.8GHz×8E 5.1GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 1.25MB×8(P) + 2MB×8(E) 65W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2
12900T Alder Lake 1.4GHz×8P + 1.0GHz×8E 4.9GHz(P) UHD770 LGA 1700 Intel 7 1.25MB×8(P) + 2MB×8(E) 35W HT(Pのみ)/TB/AES/AVX2

第11世代 Core i9(Rocket Lake / 2021)

10コアから8コアへ後退したが、IPC向上でシングル性能は強化。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
11900K Rocket Lake 3.5GHz×8 5.3GHz UHD750 LGA 1200 14nm 512KB×8 125W HT/TB/AES/AVX2/AVX-512
11900 Rocket Lake 2.5GHz×8 5.2GHz UHD750 LGA 1200 14nm 512KB×8 65W HT/TB/AES/AVX2/AVX-512

第10世代 Core i9(Comet Lake / 2020)

10コア / 20スレッド構成で、メインストリーム向けとしては最大コア数を更新。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
10900K Comet Lake 3.7GHz×10 5.3GHz UHD630 LGA 1200 14nm 256KB×10 125W HT/TB/AES/AVX2
10900 Comet Lake 2.8GHz×10 5.2GHz UHD630 LGA 1200 14nm 256KB×10 65W HT/TB/AES/AVX2

第9世代 Core i9(Coffee Lake Refresh / 2018)

メインストリーム初の8コア化。HTは非搭載。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
9900K Coffee Lake Refresh 3.6GHz×8 5.0GHz UHD630 LGA 1151 14nm 256KB×8 95W TB/AES/AVX2

第8世代 Core i9(Coffee Lake / 2017)

メインストリーム向け Core i9 は第9世代から。第8世代は HEDT のみ。

モデル コア名 実クロック TB時 GPU ソケット プロセス L2キャッシュ TDP 拡張命令
7980XE Skylake-X 2.6GHz×18 4.2GHz なし LGA 2066 14nm 1MB×18 165W HT/TB/AES/AVX-512