DirectX 11 の特徴

DirectX 11 は、テッセレーションやコンピュートシェーダーなど、GPU の汎用計算能力と描画表現を大幅に強化した世代。 マルチスレッドレンダリングにも対応し、CPU と GPU の並列処理効率が向上した。

  • テッセレーション(Tessellation):ポリゴン細分化による高精細モデル表現
  • Compute Shader:GPGPU(汎用 GPU 計算)を標準化
  • マルチスレッドレンダリング:CPU の複数コアを効率的に活用
  • DirectCompute:物理演算・ポストエフェクトなどの高速化
  • Shader Model 5.0 対応

NVIDIA の DirectX 11 世代の特徴(Fermi / Kepler)

NVIDIA は DirectX 11 世代で Fermi(400/500)から Kepler(600/700)へと進化し、 シェーダー構造や電力効率が大きく改善された。

GeForce 400 シリーズ (2010) -- Fermi 初代

DirectX 11 対応の初代 Fermi。高性能だが発熱が大きかった。

ビデオチップ GTX 480GTX 470GTX 460 GTS 450GT 440GT 430
コアクロック 700MHz607MHz675MHz 783MHz810MHz700MHz
メモリクロック 924MHz837MHz900MHz 902MHz900MHz900MHz
シェーダ数 480448336 1929696
DirectX 対応11

GeForce 500 シリーズ (2011) -- Fermi 改良版

Fermi の改良版で、発熱と効率が改善された世代。

ビデオチップ GTX 590GTX 580GTX 570 GTX 560 TiGTX 550 TiGT 520
コアクロック 607MHz772MHz732MHz 822MHz900MHz810MHz
メモリクロック 853MHz1002MHz950MHz 1002MHz1026MHz900MHz
シェーダ数 1024512480 38419248
DirectX 対応11

GeForce 600 シリーズ (2012) -- Kepler 初代

Kepler アーキテクチャ採用。省電力化が大きく進んだ世代。

ビデオチップ GTX 690GTX 680GTX 670 GTX 660 TiGTX 650 TiGT 640GT 630
コアクロック 915MHz1006MHz915MHz 915MHz928MHz900MHz810MHz
メモリクロック 1502MHz1502MHz1502MHz 1502MHz1350MHz900MHz900MHz
シェーダ数 307215361344 134476838496
DirectX 対応11

GeForce 700 シリーズ (2013) -- Kepler 改良版

GTX 780 Ti は当時最強クラスの性能を誇った。

ビデオチップ GTX 780 TiGTX 780GTX 770 GTX 760GTX 750 TiGTX 750
コアクロック 875MHz863MHz1046MHz 980MHz1020MHz1020MHz
メモリクロック 1750MHz1502MHz1750MHz 1502MHz1350MHz1250MHz
シェーダ数 288023041536 1152640512
DirectX 対応11.1

ATI から AMD Radeon へ -- DirectX 11 世代の変遷

かつて存在した GPU メーカー「ATI(ATi Technologies)」は 1985 年にカナダで設立され、 2D グラフィックスカードから 3D アクセラレータまで幅広い製品を展開した。 2000 年代前半には Radeon シリーズで NVIDIA と並ぶ大手 GPU メーカーとして知られていた。

AMD による買収と ATI ブランドの消滅

2006 年、AMD は CPU と GPU の統合戦略を進めるため ATI を買収。 これにより ATI は AMD 傘下となり、技術や開発チームはそのまま AMD Radeon ブランドへ継承された。 HD 5000 シリーズまでは「ATI Radeon」として販売されていたが、 HD 6000 シリーズ以降は「AMD Radeon」へブランドが統一され、 ATI の名称は市場から姿を消した。

ATI の技術は現在の Radeon シリーズにも受け継がれており、 GCN、RDNA といったアーキテクチャの基礎にも ATI 時代の思想が色濃く残っている。 HD 5000 シリーズは、ATI ブランド最後の世代である。

Radeon HD 5000 シリーズ (2009)

DirectX 11 に初対応した ATI ブランド最後の世代。ハイエンドからローエンドまで幅広いラインナップが存在した。

ビデオチップ HD 5970HD 5870HD 5850 HD 5770HD 5750 HD 5670HD 5570HD 5450
コアクロック 725MHz850MHz725MHz 850MHz700MHz 775MHz650MHz650MHz
メモリクロック 1000MHz1200MHz1000MHz 1200MHz1150MHz 1000MHz900MHz800MHz
シェーダ数 320016001440 800720 40040080
DirectX 対応11

Radeon HD 6000 シリーズ (2010-2011)

HD 5000 の改良版。UVD3 を搭載し、動画支援性能が向上した。

ビデオチップ HD 6990HD 6970HD 6950 HD 6870HD 6850 HD 6790HD 6670HD 6570HD 6450
コアクロック 830MHz880MHz800MHz 900MHz775MHz 840MHz800MHz650MHz625MHz
メモリクロック 1250MHz1375MHz1250MHz 1050MHz1000MHz 1050MHz1000MHz900MHz800MHz
シェーダ数 307215361408 1120960 800480480160
DirectX 対応11

Radeon HD 7000 シリーズ (2012)

GCN アーキテクチャ初採用。後の R9 / R7 シリーズの基礎となった重要世代。

ビデオチップ HD 7990HD 7970HD 7950 HD 7870HD 7850 HD 7790HD 7770HD 7750
コアクロック 950MHz925MHz800MHz 1000MHz860MHz 1000MHz1000MHz800MHz
メモリクロック 1500MHz1375MHz1250MHz 1200MHz1200MHz 1500MHz1125MHz1125MHz
シェーダ数 409620481792 12801024 896640512
DirectX 対応11.1