魚雷の全長・重量・射程距離
日本海軍の魚雷兵装は「水雷戦」の主役として、世界水準を遥かに凌駕する独自の進化を遂げた。本表では水上艦・潜水艦・攻撃機(航空魚雷)それぞれの運用目的に合わせた主要魚雷のスペックを比較している。
■ 性能比較のポイント
- 九三式酸素魚雷の衝撃: 通称「酸素魚雷(九三式)」は、排気泡がほとんど出ない隠密性と、40,000m(40km)という戦艦の主砲に匹敵する長大な射程を両立した。これは当時の他国魚雷を圧倒する性能だった。
- 航空魚雷の精密技術: 九一式航空魚雷は、浅い海でも海底に激突せずに進む為の「木製安定翼」や「角加速度制御システム」など独自の技術が投入された。真珠湾攻撃での戦果を支えた世界最高水準の航空兵装。
- 雷速と射程の選択: 同一の魚雷でも設定(バリアント)により、「低速で長く泳がせるか」「高速で一気に仕留めるか」を切り替えることが可能であり、戦術的な柔軟性を持っていた。
■ 酸素が生んだ「目に見えない槍」
当時の一般的な魚雷は、動力源の酸化剤として「圧縮空気」を使用していた。しかし、空気の約8割を占める窒素は水に溶けにくい為、航跡が白い気泡となって海面に現れ、敵に発見・回避される原因となっていた。
日本海軍が実用化した酸素魚雷は、酸化剤に純酸素を用いることで、航跡を事実上消失させることに成功した。
この隠密性に加え、高濃度の酸素による燃焼効率の向上は、巨大な機体を48ノットという高速で40km先まで届ける持久力を生み出しました。しかし、純酸素は取り扱いを誤れば即座に爆発する危険を伴っていた。
| 名称 | 用途 | 全長(m) | 口径(cm) | 雷速(ノット) | 射程(m) | 重量(kg) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 九〇式魚雷 | 水上艦用 | 8.50m | 61.0cm | 42 | 10,000 | 2500 |
| 九〇式魚雷 | 水上艦用 | 8.50m | 61.0cm | 46 | 7,000 | 2500 |
| 九二式電池魚雷 | 回天10型転用 | 7.15m | 53.3cm | 30 | 7,000 | 1720 |
| 九三式酸素魚雷1型 | 水上艦用 | 9.00m | 61.0cm | 36 | 40,000 | 2700 |
| 九三式酸素魚雷1型 | 水上艦用 | 9.00m | 61.0cm | 48 | 20,000 | 2700 |
| 九三式酸素魚雷3型 | 水上艦用 | 9.00m | 61.0cm | 48 | 15,000 | 2800 |
| 九三式酸素魚雷3型 | 水上艦用 | 9.00m | 61.0cm | 36 | 30,000 | 2800 |
| 九五式酸素魚雷 | 潜水艦用 | 7.15m | 53.3cm | 49 | 9,000 | 400 |
| 九五式酸素魚雷 | 潜水艦用 | 7.15m | 53.3cm | 45 | 12,000 | 400 |
| 九一式航空魚雷 | 攻撃機用 | 5.27m | 45.0cm | 42 | 2,000 | 784 |
| 九一式航空魚雷改2 | 攻撃機用 | 5.47m | 45.0cm | 42 | 2,000 | 838 |
| 九一式航空魚雷改7 | 攻撃機用 | 5.71m | 45.0cm | 41 | 1,500 | 1080 |
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