主砲の射程距離・初速・弾重量

主砲の射程距離・初速・弾重量

日本海軍の主力艦艇が装備した主砲は、敵の射程外から一方的に攻撃を仕掛ける「アウトレンジ」を実現するために、世界最大級の射程強力な打撃力を追求して開発した。本表では、戦艦から駆逐艦に至る主要な艦載砲の性能を比較している。

■ 性能比較のポイント

  • 大和型の圧倒的威力: 46cm砲の弾重量1,460kgは、長門型の41cm砲(1,020kg)を大きく上回り、一撃あたりの破壊力が桁違いであったことがわかる。
  • 初速と連射力: 12.7cm連装砲は初速が910m/秒10発/分の性能を持つ。大型艦の主砲に比べて軽量な分、高い連射性能を追求していることが読み取れる。
  • 射程距離の極限: 戦艦クラスでは35,000m〜42,000mという超長距離射程を誇る。これは水平線の彼方の敵を射程に収める、当時の最高水準の技術力によるもの。

■ 巨砲の進化と航空時代の到来

射程距離が40kmを超えると、地球の曲率により水平線の向こう側にいる敵艦が直接見えない距離での戦闘となる。このため、着弾地点を確認して修正指示を出す「水上観測機」の存在が不可欠となった。

しかし、皮肉にもこの「遠距離の敵を捕捉するために航空機を活用する」という進化が、戦いの主役を大砲から航空機へと移す決定打となった。水平線の先まで100秒かけて飛んでいく主砲弾よりも、爆弾や魚雷を抱えて直接敵艦を強襲する航空主兵(空母機動部隊)の有効性が実証されたことで、これら巨砲が海域を支配する時代は終焉を迎えた。

代表的な艦型ごとの主砲仕様(内径・最大射程・初速・弾重量)
艦型 搭載砲 内径(cm) 最大射程(m) 初速(m/秒) 弾重量(kg)
大和型戦艦 45口径九四式46cm3連装砲 46.0cm 42,026m 780m/秒 1460
長門型戦艦 45口径三式40cm連装砲 41.0cm 37,900m 790m/秒 1020
扶桑型・伊勢型 45口径四一式36cm連装砲 35.6cm 35,450m 775m/秒 635
金剛・比叡 45口径毘式36cm連装砲 35.6cm 35,450m 775m/秒 635
重巡洋艦 50口径三年式2号20cm連装砲 20.3cm 29,432m 835m/秒 125.85
重巡洋艦 50口径三年式1号20cm連装砲 20.0cm 26,673m 870m/秒 110
最上型・大淀 60口径三年式15.5cm3連装砲 15.5cm 27,000m 920m/秒 55.85
阿賀野型軽巡 50口径四十一式15cm連装砲 15.2cm 21,000m 850m/秒 45.36
5500トン型軽巡 50口径三年式14cm単装砲 14.0cm 19,100m 850m/秒 38
吹雪型駆逐艦 50口径三年式12.7cm連装砲 12.7cm 18,445m 910m/秒 23.5
睦月型駆逐艦 45口径三年式12cm砲 12.0cm 15,200m 825m/秒 20.413
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