大日本帝国海軍・実戦艦隊
実戦部隊の編成と指揮系統
大日本帝国海軍において、作戦を実際に遂行する部隊は、最高司令官である天皇に直属する形で編成されました。これらは中央機関(軍令部・海軍省)に対して、外洋で作戦を展開する「艦隊」と、特定の海域を警備・管轄する「鎮守府・警備府」に大きく分けられます。
■ 連合艦隊と方面艦隊(外戦部隊)
外洋での戦闘や作戦を担当する部隊であり、海軍の主戦力です。
- 連合艦隊(GF): 複数の艦隊を統合した、海軍最大の作戦部隊です。決戦兵力として主力艦を擁し、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦などの主要な作戦を担いました。
- 支那方面艦隊: 中国大陸沿岸や河川での作戦を担当した方面艦隊です。
- 海上護衛総隊: 戦局が悪化した1943年、輸送船団の護衛と制海権維持を専門に担うべく新設された、海軍の防御の要となる組織です。
■ 鎮守府と警備府(国内・外地拠点)
特定の海域を管轄し、艦艇の修理、燃料・弾薬の補給、兵員の徴募や訓練など、作戦の「基盤」を支えるとともに、担当区域の防御を担いました。
- 四つの鎮守府(横須賀・呉・佐世保・舞鶴): 日本国内の最重要拠点です。大規模な海軍工廠(造船所)を併設し、艦艇の建造や大規模修理を行う能力を持っていました。
- 警備府(大湊・鎮海・高雄など): 鎮守府に準ずる拠点として、要地の防衛や哨戒、補給を統括しました。特に「大湊(青森)」は北方の防衛、「鎮海(朝鮮半島)」は対馬海峡周辺の安全確保、「高雄(台湾)」は南方進出の拠点として重要な役割を果たしました。
■ 天皇直属の意義
これらすべての部隊が天皇の統帥下に直接置かれていることは、軍令部総長や参謀総長であっても、天皇の命令(大元帥令)なしにはこれら部隊を勝手に動かすことができないという「統帥権」の厳格な仕組みを示しています。各司令長官は、担当区域における全責任を天皇に対して負っていました。
- 天皇
- 海上護衛総隊(1943年11月1日設置)
- 支那方面艦隊
- 連合艦隊
- 大湊警備府
- 大阪警備府
- 高雄警備府(旧馬公警備府)
- 旅順警備府(1942年1月15日廃止)
- 鎮海警備府
- 海南警備府
- 舞鶴鎮守府
- 佐世保鎮守府
- 呉鎮守府
- 横須賀鎮守府
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