大日本帝国海軍・第五艦隊
第五艦隊は、1941年7月に編制された、通称「北方部隊」です。千島列島からアリューシャン列島に至る、極寒かつ濃霧に包まれる北方の制海権維持と哨戒を使命としました。南方の華やかな海戦の裏側で、厳しい自然環境と戦いながら本土北端の守りを固めた艦隊です。
編成の特色と役割
- 第21戦隊(主力): 軽巡「多摩」「木曾」と特設水上機母艦「君川丸」で構成。多摩と木曾は北洋での運用を考慮し、艦橋に防寒用の防風板を設置するなど特殊な改修が施されていました。
- 第22戦隊(特設巡洋艦): 高速優秀商船を改装した「粟田丸」「浅香丸」から成ります。広い船体と航続距離を活かし、広大な北方海域の哨戒(敵艦隊の接近監視)にあたりました。
- 第7根拠地隊: 北方の要衝である大湊(青森)や千島列島の拠点を維持・防衛する地上戦力を含む組織です。
- 附属(水雷艇): 水雷艇「鷺(さぎ)」「鳩(はと)」を擁し、近海哨戒や対潜掃討をサポートしました。
北方の空を守る「君川丸」
北方海域は飛行場の建設が困難な島が多く、特設水上機母艦「君川丸」が放つ水上機は、艦隊の貴重な「目」として、また数少ない上空警戒戦力として極めて重要な存在でした。アッツ島・キスカ島攻略作戦においても、その機動力は存分に発揮されました。
戦術的意義:本土北方の防波堤
第五艦隊の主な任務は、米国側からのアリューシャン列島伝いの本土空襲を警戒・阻止することでした。後にアッツ島海戦など、極寒の海での激しい砲撃戦を経験することになりますが、開戦当初は第22戦隊による徹底した哨戒網の構築に注力し、北の防波堤としての役割を全うしました。
- 第五艦隊
- 第21戦隊
- 多摩、木曾、君川丸
- 第22戦隊
- 粟田丸、浅香丸
- 第7根拠地隊
- 附属
- 鷺、鳩
- 第21戦隊
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