ドラクエ12は「選ばれし運命の炎」から「夢の彼方へ」へ
スクウェア・エニックスは5月27日の配信番組にて、開発中のシリーズ最新作『ドラゴンクエストXII』の開発体制を変更し、完全にリスタートしたことを発表しました。これに伴い、サブタイトルは2021年発表時の『選ばれし運命の炎』から『夢の彼方へ』へと一新。発売日および対応機種は「未定」のままとなりました。
発表から5年が経過しての「作り直し」は極めて異例の事態。その背景には作品のトーンの大転換と偉大なクリエイター陣への想いがある
初期コンセプトから「180度の方向転換」
今回の刷新で最も驚くべきことはと作品が目指す「世界観」の激変。2021年の時はドラクエシリーズの生みの親である堀井雄二氏は「今回はダークな感じ。大人向けのドラゴンクエスト」と語り、ロゴも燃え盛る炎のような重々しいものでした。
しかし、今回のリスタートにおいて堀井氏は「夢の彼方には、きっとダークではなくて、明るくワクワクするような世界が広がっていると思います」とコメント。不思議な夢が見えてしまう主人公の冒険を描く物語へと変化し、「大人向け・ダーク路線」から、これまでの伝統に根ざした「明るいワクワク感」へ180度舵を切ったことが伺える。
歴代ナンバリング史上「最も難航している」沈黙の5年間
- ドラゴンクエスト(1986年)
- ドラゴンクエストII 悪霊の神々(1987年)
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(1988年)
- ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(1990年)
- ドラゴンクエストV 天空の花嫁(1992年)
- ドラゴンクエストVI 幻の大地(1995年)
- ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(2000年)
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(2004年)
- ドラゴンクエストIX 星空の守り人(2009年)
- ドラゴンクエストX オンライン(2012年)
- ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて(2017年)
- ドラゴンクエストXII 夢の彼方へ
ファミコン時代の1年間隔から徐々に開発期間は長期化し、大体5年間隔に落ち着いていたが、前作『ドラクエ11』から今作まで既に9年が経過している。何より、2021年の第一報から2026年のリスタート発表まで丸5年間。機種すら決まらずに完全沈黙したというのはシリーズの歴史を振り返っても過去最長であり、最も開発が難航していると言える。
鳥山明氏・すぎやまこういち氏の「遺作」として相応しい王道へ
なぜここまでして作り直したのか。その最大の理由はシリーズを支え続けてきた漫画家・鳥山明氏と、作曲家・すぎやまこういち氏の両名が逝去されたこれが挙げられる。
2021年5月27日の第一報以降、2021年9月30日にすぎやまこういち氏、2024年3月1日に鳥山明氏が亡くなった。今作『ドラクエ12』はお二人が生前に遺したキャラクターデザインと音楽で彩られる事実上の「遺作」になることが確定した。
堀井氏は2024年に「亡くなったお二人の遺作に相応しいものをと思っています」と語っており、お二人の最後の作品は「大人向け・ダーク路線」ではなく「王道のドラクエ」であるべきだという制作陣の想いがリスタートという決断の裏にあったと考えられる。
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