Micron、CrucialブランドのSSDとメモリ事業撤退

 Micronがコンシューマー向けブランド「Crucial」製品の販売を終了すると発表した。エンタープライズ向けの「Micron」は継続する。

 9月にDRAM、NANDの値上がりに関する記事が出ていたが、11月にかけてDDR5メモリの価格は3倍4倍に高騰した。SSDは10%から20%程度の価格上昇。

高騰要因

 値上がりの主な原因はAIデータセンターの旺盛な需要。Microsoft、Google、Amazon等が世界各国に建設しているAIデータセンター向けにHBM(広帯域メモリ)を大量に確保していることで一般消費者向けの供給を圧迫した。

 大手メーカーは利益率の高いAI向けHBM生産の為にPC向けのDDR5/DDR4メモリやNANDフラッシュメモリ生産を縮小。

 今回のMicronの発表もコンシューマー向けを廃止してAIデーターセンター向けに注力する形だ。

 また、米国主導で中国への最先端半導体の輸出を制限したことで中国はHBMの代わりにDDR5メモリで代用することになった。結果、中国ではDDR5メモリへの需要が爆発的に高まった。

メーカー動向と寡占構造

 DRAM業界の2025年第2四半期のシェアはSK hynixが38.7%で首位。Samsungが32.7%。Micronが22.0%。3社で93.4%の寡占状態。

 その首位であるSK hynixのメモリは2026年生産分および2026年増産分が完売しているとの報道がある。顧客はNVIDIA、AMD、そしてクラウドサービスプロバイダーのMicrosoft、Google、Amazon等。コンシューマー向けは絶望的な状況だ。

メモリ価格は安くならない

 今のところ大手2社がこの状況では最後に残ったSamsungがコンシューマー向けの生産ラインを増設するか、AIバブルが崩壊してAIデータセンターが建設中止にでもならない限り、2026年にメモリ価格が安くなる可能性はない。

 DRAMはPC、スマホ、ビデオカード、ゲーム機その他の組み込み機器。NANDフラッシュメモリはSSD、スマホ、USBメモリ、メモリーカードで使われている。個人的にはGDDR6メモリを16GB、SSDを825GB搭載しているPS5は来年値上げが避けられない気がする。

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