ネタバレしか存在しない『Fate/Zero』のその後の話
様々な人の感想を読んでいると、本編に当たる『Fate/stay night』に触れずにTVアニメ『Fate/Zero』から入ってしまった方にはそれなりに謎が残ってしまったようだ。
そこで、TVアニメ『Fate/Zero』のその後をネタバレ満載でお伝えしよう。
キャラクター毎のその後
衛宮切嗣
主人公の衛宮切嗣は第四次聖杯戦争の5年後に34歳で亡くなる。聖杯の泥に蝕まれ衰弱、34歳と思えぬ程にやつれてしまった為、息子の士郎に「じいさん」と呼ばれている。
TVアニメ『Fate/Zero』のラストシーンが衛宮切嗣の最期だ。
イリヤを助けにアインツベルンには行くが、衰弱した切嗣にアインツベルンの結界を突破することはできなかった。アインツベルン側からは裏切り者扱いされている。
衛宮士郎
息子の士郎は『Fate/stay night』の主人公。第四次聖杯戦争の10年後に起こる第五次聖杯戦争で、切嗣と同じくセイバーを召喚して聖杯戦争を戦うことになる。
士郎は養父・衛宮切嗣の「正義の味方」という理想を受け継いでいる。衛宮切嗣のなりたかった「正義の味方」という呪いを。それ故、人助けの為には自らを顧みない異常な人格を形成。……この異常な人格が災いして感情移入できないとマイナス評価を受けることが多かった。
士郎のポイントは切嗣の理想と第四次聖杯戦争のラストの大災害で死にかけた(唯一生き残った)せいで、人として壊れていること。
言峰綺礼
永遠の求道者・言峰綺礼は第五次聖杯戦争では聖杯戦争監督者として、存在しない第8のサーヴァント・ギルガメッシュを駆る第8のマスターとして参加する。
第四次聖杯戦争の経験、監督役の地位に加えて、マスターをだまし討ちにすることで、ギルガメッシュの他にサーヴァントをもう1体使役するチート具合。
衛宮切嗣の息子・士郎の前に立ちふさがるが、3つのルートが存在する『Fate/stay night』のルートによっては一時的に共闘する。衛宮切嗣と衛宮士郎、衛宮家二世代に渡って最大の敵となる。
そんな彼もルートによっては、自分が遠坂時臣の殺害に使ったアゾット剣によって命を落とす。まさに因果応報。
ギルガメッシュ
第四次聖杯戦争で圧倒的な力を見せた英雄王ギルガメッシュは第五次聖杯戦争に置いても圧倒的なチートサーヴァントとして活躍する。
ただ、圧倒的な力を持つギルガメッシュも第五次聖杯戦争では慢心王と呼ばれる程にあっさり負けるルートがある。前のマスターである遠坂時臣より多少マシな程度。慢心せずして何が王か! 良い言葉である。
また、TVアニメ『Fate/Zero』では裸を披露していたが『Fate/stay night』の続編『Fate/hollow ataraxia』では若返りの薬を飲みショタ姿を披露。さらに半裸で活躍するシーンまで描かれる。王よ、サービスし過ぎだ。
間桐桜
雁夜おじさんが救いたかった間桐桜はその後も間桐の後継者として、魔術の修行と言う名の虐待、義理の兄からの虐待を受け続けるが『Fate/stay night』ではなんと明るい性格で登場。
毎日、衛宮士郎の家に朝食と夕食を作りに来るギャルゲーの幼馴染み又は妹キャラと化している。ちなみに性格が明るくなったのは衛宮士郎と藤村大河の影響。
しかし、桜には第四次聖杯戦争の聖杯のかけらが埋め込まれており、ルートによってはボスキャラ化。冬木市で虐殺を行う。この為、桜=黒のイメージが強くヒロインの中では人気が低い。まことに不憫だ……。
遠坂凛
遠坂凛は優秀な魔術師として成長しているが、遠坂家のうっかり遺伝子を継承している為、詰めが甘く『Fate/stay night』開始直後から失敗するシーンを見せてくれる。
兄弟子に当たる外道・言峰綺礼によって八極拳を仕込まれており、近接戦闘もいけるオールマイティーな魔術師となっている。本編では父親同様アーチャーのサーヴァントを召喚。衛宮士郎と共同戦線を張る。
脳に重い後遺症を負っていた母・遠坂葵は『Fate/stay night』の前に亡くなっている。
セイバー
第四次聖杯戦争で切嗣に酷い扱いを受け、ランスロットの姿に打ちのめされたセイバーは士郎によって第五次聖杯戦争に召喚される。
士郎が魔術師として未熟な為に第四次聖杯戦争よりもステータスがダウン。士郎からの魔力供給も無く明らかに弱くなっている。恒例のセイバーいじめ。
そんなセイバーを士郎は女の子として扱い、ルートによってはヒロイン化。イスカンダルから憐れみを受けていた聖杯を求め続ける永い夢(本人が醒めない限り永遠に続く苦行)からも解放される。
ただ、ギルガメッシュの求婚は続いている他、ディルムッドのようにセイバーと立ち会いたいと望むサーヴァント、セイバーを捕らえてドレスに着替えさせてくるサーヴァントなど第四次同様、対戦相手のサーヴァントから人気がある。
イリヤ
イリヤスフィールは聖杯として、さらにマスターとして第五次聖杯戦争に参戦する。また、アインツベルンの教育によって、衛宮切嗣が自分と母を捨てたと思い憎んでいる。
衛宮士郎よりも年上でありながら見た目はロリ。妹キャラを演じるロリ義姉という特殊な位置付けのキャラとなっている。ほんとはヒロインになるルートを作る予定だったが立ち消えしてしまい、扱いはサブヒロイン。
マスターとしては史上最高の適正を持ち、雁夜おじさんが死にそうになりながら使役していたバーサーカーのサーヴァントを苦も無く使役する。しかし、アイリスフィールの胎内にいた頃から数々の魔術的処理を施された結果、発育不全。他にも短命といったリスクを負っている。
ウェイバー・ベルベット
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト門派の魔術師見習いだった彼は、イスカンダルの聖遺物を盗む等、自分にも責任があるエルメロイ派(没落一歩手前)の復興に尽力。「アーチボルトを持ち直した男」「新たなるエルメロイ」として、エルメロイII世と呼ばれるようになる。ただし、アーチボルト家の当主は別にいる。
遠坂凛がロンドンに留学した後、遠坂凛の後見人になる。
本人の魔術師としてのレベルは平均だが、講師としては超一流。埋もれた才能を見抜いて鍛える事にかけては時計塔随一の人物として、プロフェッサー・カリスマ、女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男などの異名を持つ。ただ、本人は自分の講師としての人気には興味が無く、魔術師として大成したいと思っている。
イスカンダルの残した大戦略のせいで、唯一の娯楽がゲームというゲーム好きな大人に成長した。注:設定のみで『Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』には登場しないが、2014年から三田誠さんの手でスピンアウト小説の主人公になっている。
聖杯
『Fate/Zero』において、万能の願望機(=ドラゴンボールのシェンロン)という謳い文句だった聖杯だったが、聖杯の中身は汚染されてしまっていた。汚染の原因は第三次聖杯戦争の際にアインツベルンが召喚した第8のクラス「復讐者(アベンジャー)」のサーヴァント。
「復讐者」のサーヴァントは聖杯の中で、60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァントとしてこの世に生まれ出ようとしており、TVアニメ『Fate/Zero』のラストの大災害は聖杯が衛宮切嗣の世界平和や言峰綺礼の本性を汲み取って人類を抹殺しようとしたわけではない。
アンリマユ
言峰綺麗が大災害のシーンで口に出すアンリマユ。上述したアインツベルンが召喚した第8のクラス「復讐者」のサーヴァントの真名である。
衛宮切嗣が聖杯の中で会ったアイリスフィールの姿をした存在。正体はゾロアスター教の悪神として扱われた1人の人間だが、聖杯に召喚され、聖杯を汚し、聖杯の中で本物の悪神(悪魔)となった。この世全ての悪。
第四次聖杯戦争では衛宮切嗣がセイバーのエクスカリバーを用いて聖杯を破壊。アンリマユの誕生を防いでいる。
聖杯戦争の終結
聖杯戦争は本編『Fate/stay night』で終結。第五次聖杯戦争の10年後にロード・エルメロイII世(ウェイバー・ベルベット)と遠坂凛によって聖杯戦争の仕組み自体が解体される。設定のみの話。
もう1つの第四次聖杯戦争『Fate/Accel Zero Order』
スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』で、虚淵玄書き下ろしストーリーによるもう1つの第四次聖杯戦争『Fate/Accel Zero Order』が展開された。未来からロード・エルメロイII世(ウェイバー・ベルベット)が第四次聖杯戦争に介入する話。
今から本編『Fate/stay night』を楽しむなら
『Fate/stay night』はTYPE-MOONが2004年に発売した18禁ゲーム。その後、2006年にスタジオディーン制作でTVアニメ化。2007年に角川書店がPS2に移植。2010年に劇場アニメ化。2011年に全年齢PC版のダウンロード販売。2014年と2015年に再びTVアニメ化した。他に漫画版もある。
今から楽しむなら選択肢は多い。オーソドックスに原作を楽しむならPS Vita the Best版か、スマートフォンアプリ版。スマートフォン版はFate(セイバールート)を無料で楽しめる。
アニメで楽しむならFate(セイバールート)を描いたスタジオディーンが制作したTVアニメ第1期(2006年)の全24話、Unlimited Blade Works(遠坂凛ルート)を描いたufotable制作のTVアニメ第2期(2014年-2015年)の全24話。
Heaven's Feel(間桐桜ルート)は2017年10月に第一章、2018年に第二章公開予定。Heaven's Feelの劇場アニメは全三章を予定している。また、2015年6月から漫画連載も行われている。
劇場アニメ『Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』は本来2クール以上かかるアニメを100分に収めたダイジェストストーリー。既に内容を知っている人向けの作品で、お勧めし難い。
『Fate/stay night』の続編『Fate/hollow ataraxia』は18禁ゲームのみだったが2014年にPS Vitaに移植されている。「復讐者」のサーヴァント、言峰綺礼の娘(?)、言峰綺礼がだまし討ちにしたランサーの本来のマスターが登場する。聖杯の真実とファンディスクを兼ねた作品。2013年5月から漫画連載も行われている。
2017年12月06日:劇場アニメ公開を経て情報をアップデート
2016年05月28日:今から本編を楽しむならに劇場アニメ情報などを追加
2012年06月25日:ウェイバー・ベルベットの項目を追加
2012年06月24日:初掲載
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