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• メモリ価格が値上がりへ、日本の半導体材料への輸出管理強化が原因か

　2016年後半から価格が高騰した後、2018年後半に値下がりを始め、2019年は買いやすい値段になっていたDDR4メモリ(サハロフの秋葉原レポートのチャート)。しかし、先週から店頭では売り切れが目立つようになり、値上がりに転じたようだ。

　ショップではRyzen 3000シリーズ発売による需要の高まりに加え、DDR4メモリがメーカーレベルで止まってしまい仕入れができないと話している。メーカーに関しては日本の韓国への半導体材料の輸出管理強化が影響していると考えられる。

　2018年のDRAM市場シェア(DDR4メモリ等)は韓国SAMSUNGとSKハイニックスで72%を占めており、特に半導体材料の輸出管理強化の影響を受ける分野。NAND型フラッシュメモリ市場(SSD、USBメモリ、SDカード等)も44%を占めているのでこちらも影響が懸念される。

　CPUやHDDやマザーボードは問題無いが、DRAMチップに関しては韓国製が多く値上がりは必至。製品によって異なるがG.SkillやCorsairのオーバークロックメモリも搭載しているチップはSAMSUNG。2018年9月の段階でメモリ価格の低下を理由に来年度減産を計画しているとの報道があったので、今回、需要増と減産と輸出管理強化が重なってしまった可能性がある。

　メモリはSAMSUNGとSKハイニックスに次ぐ米Micronでシェア21%。72%を占める上位2社の供給が止まってしまえば短期的には手の打ちようが無い。一方、NAND型フラッシュメモリ市場は東芝メモリ、Western Digital/SanDisk、Micron、Intelが56%を占めており、メモリに比べて他の企業が供給を増やす余地が大きい。

　なお、韓国メディアによると、アップル、Amazon、マイクロソフト、Googleが役員および従業員を韓国に派遣した模様。SAMSUNGはiPhone向けのDRAM、NANDフラッシュメモリチップの主要サプライライヤー。

[追記]　安全保障上の輸出管理で優遇措置を取っている「ホワイト国」から韓国を除外することから文章中の表現を「輸出規制強化」から「輸出管理強化」に改めました。

投稿者:九嶋秀二郎 (公開日：2019年7月21日 07:18/最終更新日：2019年10月25日 19:49)

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