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• 東京都青少年健全育成条例が都議会で可決、規制は4月から

　漫画、アニメ、実写を除くその他の画像で、刑罰法規に触れるか、近親者同士の性交もしくは類似行為を不当に賛美した作品を青少年に販売、閲覧させないようにする東京都青少年健全育成条例が都議会で可決した。

　条例施行は自主規制が2011年4月1日から。販売規制は7月1日からとなる。都条例が遂に可決。条例の条文を読む限り影響が特に大きそうなのは少女漫画。レイプから始まる恋を扱った少女漫画や映画化した『僕は妹に恋をする』などは一体どこに並べるんだろう。

　少女漫画を18禁コーナーに置く選択肢は無いと思うので、撤去するんだろうか。男性向けはチャンピオンREDいちご連載の『あきそら』が条例ドンピシャ。18禁指定のある成年漫画ではなく、20代・30代を対象とした青年漫画雑誌には他にも引っ掛かりそうな作品があるが、青年漫画雑誌は18禁として隔離か。この辺はそういう描写のあるレディコミや性交類似行為のボーイズラブも同じ。

　そもそも20代・30代を対象にした青年漫画を小学生が見ても大丈夫にするか、18禁漫画として陳列するかと二者択一を迫る条例は甚だ理解しがたい。

　青年漫画を小学生向けにしたら、ただの少年漫画。18禁化したら、エロがメインになって、ただのエロ漫画(成年漫画)になってしまう。これならゲーム業界のCEROみたいな規制を導入して、中学生以上対象、高校生以上対象、20歳以上対象と推奨年齢制で括って貰った方が良い。18禁区分は既に存在するので、推奨だけ。

　拡大解釈をしない限り、対象は刑罰法規に触れるか、近親者同士の性交もしくは性交類似行為を肯定的に描いた漫画だけに留まるはずだが「刑罰法規に触れる」の部分には「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない」とする淫行条例も含まれているはず。

　それを踏まえた上で、性交類似行為を拡大解釈した場合、中高生が主人公で乳首を触るといったエロ描写のある作品は全て含まれるとも考えられる。……復活したばかりだけど『To LOVEる ダークネス』さようなら。えっちぃのは嫌いです。パンチラまで表現を落として下さい。通常、性交類似行為は手淫、口淫行為、同性愛行為を指すが、児童買春・児童ポルノ禁止法では乳首を触るまでが含まれている。ただ、非実在青少年ならアウトだったが、今回の条例が宇宙人の女の子やナノマシン生体兵器な女の子も対象になるかは条文に書かれていないように見える。

　しかし、東京都青少年健全育成条例の内容が東京都以外にも広まるのはほぼ確実。東京で実際どんな風に区分陳列されるのか、対象となる描写がある少女漫画は並べて貰えず事実上の発禁になるのか、少女漫画なのに18禁コーナーに並べるのか。小売り店が都から怒られることを避けたいがあまり過剰に区分・撤去、漫画家がまともに並べて貰えないことを恐れて表現を自主規制するのか。気になることは山ほどある。

　ちなみに都条例の可決を受け、石原都知事の芥川賞受賞作『太陽の季節』を中心にした石原慎太郎オンリー同人誌即売会の開催が決まった。石原都知事の小説にはレイプ物が多いことを皮肉った抗議活動と見られる。

　……ネタとしては面白いが、効果は石原都知事が嫌いな参加者の憂さ晴らし程度しか無く、個人的には意味が無いように思える。

投稿者:九嶋秀二郎 (公開日：2010年12月15日 20:02/最終更新日：2013年11月17日 15:34)

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