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• 店内の漫画を電子書籍化できる自炊サービスが話題に

　秋葉原で書籍を裁断して、自分で電子書籍化する「自炊」を手軽に提供するショップ「自炊の森」がオープンした。サービスの全容は、ショップが裁断済みの書籍を展示。客はその本を選んで、自分でスキャナーで取り込み電子書籍化したデータを持ち帰るというもの。

　なんとも違法コピーっぽいサービスだが、私的複製が自分の所有物に制限されていない点。店内で客が閲覧しているだけで、レンタルしていない点。客自身が電子書籍化している点から同店では問題無いとしている。

　品揃えは少年コミック、青年コミック、成年向けコミックと同人誌。店内には業務用高速スキャナ(Panasonic KV-S5505C)が設置されており、コミック1冊を1分で高速スキャンできる模様。

　価格はコミックが定価の40%+消費税。同人誌が210円から420円。客の持ち込み書籍の裁断、スキャンは350ページ以内が160円となっている。

　……正直なところ、大枠はレンタルCDショップと似ている。しかし、レンタルCDショップの場合、レンタル商品は著作権使用料を含むレンタル専用品で、客は著作権補償金が上乗せされた音楽用CD-R等を使ってコピーすることが認められている。別件になるが、パソコン等でデジタルコピー(mp3,aac等)することがある為、JASRACはパソコンを私的録音補償金の対象にするよう求めている。

　上記のレンタルCDの件からも分かるように私的複製は自分が所有する物に限られていないが、この「自炊の森」のサービスが良くないと考えさせられる点は客への貸与ではない＝著作権使用料を払っていない。一冊の正規品コミックから複数の電子コミックが生まれている＝著作権者への報酬は一冊分のまま等だ。

　だが、恐らく著作物を使って商売している為、カラオケ法理(カラオケスナック内の有料カラオケ機器の利用に関する最高裁判決)から、裁判を起こされれば違法になると思われる。

　ちなみに本を無償貸与および閲覧できる図書館では、本の一部分のコピーしかできないことが著作権法に記されている。

投稿者:九嶋秀二郎 (公開日：2010年12月29日 19:13/最終更新日：2010年12月29日 20:25)

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