電子書籍における検閲『働きマン』は胸が見えたのでアウト!

働きマン(1) (モーニング KC)> 電子書籍関連事業を行っている株式会社ボイジャーの萩野正昭社長が電子書籍時代の検閲についての話をしている。

 それによると、ノイタミナでTVアニメ化。菅野美穂でTVドラマ化したモーニング掲載の漫画『働きマン』がAppleの検閲で弾かれていたようだ。問題は主人公がマッサージを受けている時に誤って胸が露出してしまうシーン。この他、OLが主人公の漫画では入浴シーンは一般的でお風呂に浸かるシーンが必ずと言って良いほど出てくるので問題になっている模様。

 また、講談社のコミックスをiPhoneアプリ化(電子書籍化)した際には30%がAppleに拒絶され、コミックス第4巻まではOKだけど5巻目以降はアウトといったことが発生しているとのこと。原因は疫病の発生で血を描いている場面。これが残虐シーンと判定されたと述べている。

 アメリカではONE PIECEのアニメも大量に修正されNARUTOのアニメは暴力シーンがあるのでゴールデンタイムには放送できない。逆に日本の漫画やアニメは世界を見据えて作品を描いて欲しいと要望されるくらいなので日本の常識はアメリカでは通用しない。

 しかし、それにしたって、子供向けじゃなくて大人向け漫画である『働きマン』がアウトなのを見ると、Appleの漫画検閲は相当に厳しい。iPadが電子書籍市場のデファクトスタンダードになったり、Kindleがデファクトスタンダードになった場合、日本の漫画は色々な部分を削り、修正し、アメリカの一企業が決める基準を満たした漫画を出さざるを得なくなるのだろうか。

 捕捉しておくと、紙媒体と電子書籍の両方を出版する漫画。電子書籍リーダーは上記のどちらかが世界標準で日本でも一般的になったと仮定した場合の話。

 あと、大谷和利『iPhoneをつくった会社』『iPodをつくった男』も拒絶されている。理由はAppleに関わるものだから。この現実を見ると、出版物を一企業が検閲するのは非常に恣意的で危険なのではないかと思える。まるで批判は一切許さないという独裁者みたいだ。

投稿者: (公開日:/最終更新日:)

記事別アクセスランキング(2020年3月-2021年3月)

1位ネタバレしか存在しない『Fate/Zero』のその後の話2012年06月24日
2位シヴィライゼーションVI マップ一覧2020年03月16日
3位単語をバラバラにした「こんちには みさなん」が話題に2009年05月8日
4位小説、ノベル、ゲームシナリオの書き方・作り方2005年10月29日
5位機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BESTでキラの階級が判明!2005年10月15日
6位海外で嫌われるアニメの女性キャラは「サクラ」「織姫」!2010年06月17日
7位家電芸人の品川さん、PS3をコンポジット接続でプレイし話題に2008年12月30日
8位少年マガジン『デスノート』のパクリを認め、正式に謝罪!2007年12月22日
9位もう1つの第四次聖杯戦争『Fate/Accel Zero Order』内容と相違点2016年05月04日
10位『EVE』『YU-NO』の菅野ひろゆきさんが死去2011年12月26日